2- inciso

2- inciso

今回はガラスの表面の加工inciso(インチーゾ)。
Paolo Veniniによって1956年に発表、開発されました。


ガラスの表面に主に平行に細かい切り込みをいれ、つや消し、または半研磨のままで仕上げられ、独特のテクスチャーを生み出す技術です。


半透明なガラスですが、酸で腐食したフロストガラスとは違い、表面が不均一なため、時間帯や、角度により、様々な表情を堪能できるのが魅力です。


単色のものや、Sommerso技術で作られたガラスに加工したものなどもあり、美しくぼやける層はマークロスコなどの抽象画を彷彿とさせます。
Venini以外にも有名なものでは、Alfredo Barbiniの1962年に発表した”Vetro pesante"でも使用されております。Barbiniはinciso加工されているものとないものを発表していますが、inciso加工されているガラスは、雰囲気やフォルムの説得力が増しており、明らかにアートオブジェクトとしての格の違いを感じます。

華やかなイメージの強いムラノガラスの中で控えめながら美しいinciso加工されたグラスは、日本人の感性に合うムラノガラス技術の1つだと感じます。

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