今回はローマングラスのような、長く地中で眠っていたような独特の質感を表現したScavo(スカーヴォ)技術です。
釉薬のように味わい深い表面に、光をわずかに透かすガラスの特性も残っており、華やかなイメージの強いヴェネツィアンガラスの中では異質な技術です。
Scavo技術は伝説的なガラス職人Alfredo Barbiniによって開発され、当時所属していたCenedeseにて1948年に発表されました。
800度の高温のガラス表面に硝酸塩やシリカ、炭酸塩などの粉末をふきつけ、熱により付着、変化した粉末がその独特の効果を与えます。
花瓶からオブジェまで幅広く使用されており、特にCenedeseでは1950年代のAlfredo BarbiniやErmannno Nasonによるオブジェが印象的です。
Barbiniは自身がのちに立ち上げたブランドでも、たびたび使用されており、本人のお気に入りの仕上げだったとも言われています。
また1970年代にはSeguso Vetri d'ArteでScavo技術を使ったシリーズが展開され成功をおさめています。