今回は伝統的なガラス技法Filigrana(フィリグラーナ)です。
FiligranaはCanne(カン)と呼ばれる一定の長さにカットされたガラス棒(多くは色付きのガラスの芯に無色のガラスで覆われた棒)を金属の台の上に隙間なく並べ、ロッドについた熱したガラスを使い巻き取るように、融合させそこから成形する技術です。
元々は16世紀にムラノ塔で開発された技術で、ガラスの中を無数に一定に走る線が美しく、華麗な印象があります。
この伝統てきな技法にはバリエーションがあります。
ガラス芯に予め捩れを作り螺旋の形状を備えて作られたZanfirico(ザンフィリコ)。(これは19世紀のアンティークディーラーが多数のコピーを製作した為、そのディーラーの名前からつけられました。)
建築家であり、1930年代Veniniの芸術監督であったCarlo Scarpaが発表したMezza Filigrana(メッツァフィリグラーナ)。(これは1934年にヴェネツィアビエンナーレで発表されたもので、ガラスの棒の極限まで引き伸ばすことによって、出来上がったガラスの線がより細く、可憐でモダンな印象になります。)
そして何より、伝説的なガラス職人Archimede Seguso(アルキメデセグーソ)が自身のブランドで1950年代に発表した”Merletto"をはじめとする一連のシリーズが特に有名です。