Fulvio Bianconi(ファルビオ ビアンコーニ)

Fulvio Bianconi(ファルビオ ビアンコーニ)

50年代のVeniniの黄金期は彼の創造性の賜物といっても過言ではないムラーノガラスの重要な人物ファルビオ ビアンコーニ。

グラフィックデザイナーであり、風刺画家でもありました。

1945年グラフィックデザインの仕事を受けていた会社から香水瓶のデザインを持ちかけられ、ムラーノ島のVENINIを訪れた事がガラスとの出会いでした。

1940年代後半からパオロヴェニーニの誘いから、VENINIのデザイナーとして働き出します。

彼のデザインには風刺と魔法に近いような人を元気にするような明るさがあります。

それはコレクターが口にする色の魔法、そして個人的にはビアンコーニ自身の底抜けに明るく、情熱的な人間性が強く出ていると感じます。

VENINIのアイコンの一つであるFazzoletto。

ハンカチを意味するこのガラスはピエトロキエーザがfontana arte にて1932年にデザインした花瓶Cartoccioによく似てます。

Cartoccioが工業的な印象を受けるのに対しFazzolettoはおおよその形は決まっているもののヒダの揺らめきに1つとして同じものはありません。(古いものでサイズの大きいものは特に揺らぎも激しいものも目立ちます)

そこにはビアンコーニが大切にしておりパオロベニーニと意見が食い違った、「芸術品は同じものを繰り返すと死んでしまう」と語っていた精神が感じ取れます。

その他にも、アイロニカルなポージングのフィギュアシリーズ、clessidra(砂時計)、ガラス片を使い成形されたカラフルなPezzatoシリーズ、ガラスに絵の具が滲んだような模様のmacchieシリーズとまさに創造性を爆発させたように次々と傑作ガラスデザインを作り上げてゆきました。

パオロベニーニとの意見の相違から1958年にVENINIを離れますが、CenedeseやIVR.MazzegaやVistosiなど様々なガラスブランドとのコラボレーションを発表しています。

また89年にはVENINIで新しいデザインが発表されており、建築物のような名作Ritagliなどをデザインしました。

 

参考文献:Fulvio Bianconi at Venini

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